みなさまおはようございます。 東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です!
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矯正歯科 ブログランキングへ最近はモニタ患者さんの治療でも時間に余裕がなかったりして、治療経過の写真が撮影できないことが多々あります。つまり、ここ1年くらいでスタートしたモニタ患者さんに限って言えば、初診の資料しかないといった症例も結構あります。ブログに治療経過の掲載をしたくても初診→完了といった状況になりつつあります。
そんな中、ひさびさに細かく資料をとっていた症例がありました。
本症例は、自分自身好んでおこなっているインプラント矯正治療における治療ゴールの限界を経験させていただきました。
つまり、どうがんばってもこれ以上は治すことができないという意味でもあります。
本日のテーマは、
【抜歯矯正 治療】下顎の正中線を揃えるのがとても難しい理由とは?
このテーマの結論に達することを学ばさせていただきた症例でもあります。
それでは、初診の状況です
左右の写真ではどうでしょうか?
上下の写真ではどうでしょうか?
上顎の歯列では 2番目の前歯が内側にはいっている分、前歯全体が左方向に移動しておりました。
一方で下顎の歯列はどうだったでしょうか?
写真ではわかりにくいので注釈をつけると
12歳臼歯を抜歯済みでして、かわりに親不知が左右ともに傾斜して生えてきている状況でした。
治療方針は抜歯治療 非抜歯治療 それぞれ検討をしたのですが、 総合的に判断をして 抜歯は1本としました。
部位は上顎の奥歯1本のみの抜歯治療です。
さらにインプラント矯正治療をおこないました。
上顎の治療経過です
歯列を左右に拡大しつつ、抜歯した部位の閉鎖をおこなっております。第一大臼歯の左右差がなくなってきた段階で、マルチブラケット装置をセットします。
上顎の歯列はどんどん整ってきました。
この時点で歯列にはスペースがまだ残っておりますので、 内側に入っている2番目の前歯はそろうことは時間が解決してくれます。 また、上顎の正中線も顔面のそれと一致します。
この後、下顎にもインプラントアンカーをうち、歯列矯正治療をすすめてきました。
最終資料です
上顎の正中線は顔面のそれと一致しているものの、下顎の正中線は若干左側になってしまっております。
右方向はほぼ完ぺきなのですが、左方向はもうすこしで100点でした。
つまり、下顎の正中線を顔面と一致させるには奥歯を後方に移動する必要があります。
インプラント矯正治療では、下顎の奥歯を後方に移動することは 容易ではありません。
まったく後方に移動できないのではなく、移動量の限界がすぐにきてしまいます。
理由は、解剖学的理由で下顎の場合は上顎よりも諸条件が厳しいのです。
本問題を解決する方法としては、やはりインプラントアンカーではなく、スケルタルアンカーが必要になります。
つまり、本症例を振り返ることによって
自分の歯科矯正治療技術においてインプラントアンカー一辺倒からのパラダイムシフトになるきっかけとなりました。
やはり、ブログを継続していることで、自分がおこなった治療を振り返る機会に恵まれますので
新しいことに挑戦していく意欲もでてくると思います。
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それでは 本日も1日がんばりましょう!
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