おはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です。
今朝はとても気持ちの良い朝を迎えることができました。このくらい涼しいと、外出したくなりますね!
今週の木曜日は朝から学会参加をしたあと、夕方から東京歯科大学外科矯正勉強会に参加してきました。
懇親会の席では東京歯科大学の口腔外科の教授、准教授方とお話をさせていただき、とても有意義でした。
いろいろと質問ができる良い機会だったのですが、こちらが勉強させてもらっている立場です。次回の開催の時も懇親会があるはずなので、それまでに質問したい項目を順序だてて資料としていくことにしました。
次回開催は来年2月27日です。いまからとても楽しみにしてます。
今日から公立の学校は夏休みに突入するところが多くなります。夏休み期間中は普段土曜日しか来院できない患者さんが平日に来院していただける可能性が高くなる期間ですので、診療予約がバラけてくれます。
ですから、装置を装着したり、はずしたりと時間がかかる処置を積極的におこなえます。また、普段はパンパンに混雑している土曜日の診療予約も比較的空いておりスムーズな診療が可能です。夏休み期間中だけは(独自サマータイムとして)診療開始時間を早くしたりなど、今後はいろいろとやってみたいなあと思ってます。
本日のテーマは少し難しい話になりそうです。メンドウクサイ人は他の日記を読んでいただいたほうが良いかもしれません
というのは、
他院で断られてしまった、抜歯矯正治療を当院で治療すると?⓵
治療が難しい症例はいろいろとありますが、まずは矯正治療可能な条件をふりかえってみましょう
1:全身的な問題(病気や先天的な問題など)
2:局所的な問題
特に2の局所的な問題にフォーカスをあてると
1:重度の歯周病
2:多数の虫歯
3:歯根が短い
などがかんがえられます。
1の重度の歯周病に関しては、歯周治療をおこなってからの再評価しだいでは治療可能な場合もございます。
ですから、初診相談で断られてしまう場合はその先生が歯周病の歯科矯正治療に対しての知識が不十分な場合が考えられます。
2の多数の虫歯に関して
虫歯の程度によっては抜歯するしか治療方法がない場合もございます。矯正治療の計画上は抜歯したくない場合でもやむ終えず抜歯を選択するときは、抜歯後に生じる隙間をどう対処するのかまで話あう必要がございます。ですので、相談の段階では治療不可能ということになるのではなく、治療目標をどこに設定するかが重要になってきます。患者さん側と術者側の治療結果に対するイメージがことならないように十分話し合う必要があります。
3の歯根が短い
歯は根っこがあります。一般的には歯茎から出ている部分を歯冠といい、もぐっている部分を歯根といいます。
歯冠部分の長さを1とした場合、歯根の部分は2くらいが標準的な長さです。
たとえば、歯冠が1センチの長さとしたら、歯根は2センチの長さということです。
この比率1:2が1:1などとなっている状態が歯根が短いという状況です。
つまり、歯が抜けてしまう可能性が非常に高い状況です。
症例を拝見しましょう
正面写真をみると一見、普通の症例です。
しかしながら、下の歯と歯茎の部分を注意してみると
歯と歯の間に筋が付着しております。下唇小帯をいうものなのですが、この筋が歯に近すぎると、歯茎がやせてしまう原因となります。
下顎の写真をみると、奥歯が真横に倒れております。これは親知らずではありません。
歯科医師なら状況が良くわかると思いますが、決して治療不可能といった状況ではありません。
上顎の写真からはよくある症例といったところです。
側面セファロX線写真ではどうでしょうか?
やや下顎の下縁が非対称かな?と
正面セファロではどうでしょうか?
やはり左右の顎角部分が非対称です。
顎のゆがみが顎角だけに限局しているのか、骨そのものがゆがんでいるのかを軸方向から観察します。
このように歯科用CTから得られたデータは各種さまざまなソフトで分析することによっていろいろな角度から顎骨を分析することができます。すべて、たった1回のCT撮影から得られたDICOMデータから合成したX線写真です。
ここまでは治療はやや難しいものの、一般的な小臼歯抜歯症例で対応できるかなと、
上顎は4番で下顎は5番といった方法で対応できそうだなどと思うでしょう。
ところが、パノラマX線写真をみると、、、、
このような状況でした。
みなさん、この写真をみて何が問題があるのでしょう?
研修医、大学院の先生方、それぞれ問題点をまとめておきましょう。
続きは次回のブログを楽しみにしてください。
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