みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長田中憲男です。
昨日はもうすぐ3月というのに大雪が降って大変な一日でした。
雪のなかにもかかわらず、多くの患者様が来院していただき本当にありがとうございます。最近は診療予約時間がタイトとなっておりますので、大幅に遅刻する場合などは、予約を次回に変更したほうが良い場合をありますので、一言電話連絡をいただければ幸いです。
最近はこのブログ内容は他方でかなり引用をされております。初めてこのブログ内容を読まれた方はほとんどといっていいほど、バックナンバーを拝見されております。本来なら今年中にはこの内容をもとにした書籍を発行する予定なのですが、インプラントの症例の方がまだ仕上がり途中のものもあり、もしかしたら来年になってしまうかもしれません。
さて、本日の内容は
気になるスピード矯正と外科的矯正治療、期間・費用の4つのポイント
についてお話をさせていただきます。
ここでは素人向けにわかりやすく説明をいたしますので、専門家の方はご了承ください。つまり、両者はオーバーラップする部分もあるのですが、今回はあえて区別するということです。
まず、スピード矯正とは、
従来の矯正治療で問題なく治療可能な症例を、少しでもはやく治療を終わらせたい人向けに考えられた方法です
一般的にコルチコトミーという外科的方法を利用いたします。
1:処置内容について
骨をいうのは外側は固いのですが、中は髄といって血液や柔らかい軟骨があります。
その外側の固い部分に刻みをいれることをコルチコトミーと言います。
この結果、刻みができた部分を修復するという意味合いで新しい骨の細胞が出現する結果、細胞のレベルで代謝が活発になる結果、強い歯の移動をおこなっても問題がないといわれております。ボストン大学の歯周病教室で基礎的な研究結果が出ておりますのでそういう意味では安全性が確立された手法といってもよいでしょう。
普通は上顎と下顎は月をずらして処置をおこないます。技術的には両方一度におこなっても問題ないのですが、その場合は数日間入院をしたほうがよいと個人的には思います。したがって、上と下と別々に分けて処置をおこなえば日帰りで普通の診療所で行える処置と考えて問題はありません。
2:費用について
従来の歯科矯正治療が健康保険ではおこなえないのと同じように、すべて自由診療となります。アメリカペンシルバニアではコルチコトミーの費用は矯正治療費用の半額程度チャージしております。つまり、矯正治療費用が80万円とした場合、コルチコトミーは40万円(上20プラス下20)ということになります。
日本の場合でもこれと同程度という認識で問題はないと思います。
3:治療期間について
従来の半分の期間で治療可能といわれておりますが、個人的には65%程度の期間になるのではないかと思います。例えば、一般的な方法で2年といわれた症例の場合、1年2か月程度は必要ではないかと思います。
矯正治療の場合、治療期間は技術的なウエイトが多く占めますので、施術する人間によっても治療期間は変わってきます。わかりやすく言えば、心臓外科の手術でも研修医が10時間かかる手術が名医が手掛ければ4時間で終わるというのと同じです。
4:オステオトミーについて
よくコルチコトミーと混同して用語を使用する先生がいらっしゃいますが、オステオトミーosteotomyとは辞書で調べてみると、骨離断と出てきます。
つまり、骨と骨を離断(骨折みたいな感じと理解してください)
これは外科的矯正治療でもちいる骨の移動様式であります。
外科矯正治療についての解説については矯正歯科ネットの外科的矯正治療という項目に私が詳しく執筆されておりますので、どうぞ参考にしてください。
最後に、本日UPする写真は反対咬合症例の方でした。
診断としては骨格性下顎前突でしたが、反対の部分が前歯に限局しているため、外科手術ではなく、矯正治療単独で治療が完了できました。
外科か非外科かの見極めとして重要な項目に、
臼歯部の幅が反対か否か?
上下の真ん中の線(正中線)が一致しているか?
といったところが初期的な見極めになってくると思います。
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