ブログ読者の皆様おはようございます。
ペンシルバニアのスピード矯正セミナーについてのお話を報告するといって1ヶ月も経過してしまいました。
お返事が遅くなったことを深くお詫びします。
まず、スピード矯正はアメリカも日本も技術的には同じですが、日本でアメリカと同じことをやってしまうと問題となってしまう点がひとつございます。
アメリカで学んできた、スピード矯正について
スピード矯正のコンセプトは組織(歯槽骨)に対する外科的侵襲。それに対する生体の修復力を利用して歯の移動をスムーズにこなうのを主としております。
日本人などのアジア人とアメリカなどの白人とでは体の造りが異なるため、同じ方法を利用した場合の生体の修復力に差がでてしまいます。つまり、日本人のほうが、アメリカ人よりも外傷に対する抵抗力が弱いということです。また、アメリカ人の矯正のほうが、日本人の矯正治療よりも治療がやさしいことも違いと言えます。このことは人種差ですので仕方ありません。事実、ペンシルバニアでは日本人の患者様のリポートは皆無でした。
したがって、当院では日本人向けに外科的侵襲を抑えた方法をとることによって、
安全でかつスピードの速い歯列矯正方法を確立いたしました。その結果、
6ヶ月では歯列矯正は終了しないまでも通常の矯正治療期間のおおよそ半分の治療期間が可能となりました。
アメリカにいってきて一番の収穫は上記の2点です。
すなわち、人種差のため、治療目標が異なること、生体の修復能力に差があることの再確認でした。
写真の患者様はおおよそ10ヶ月で矯正治療が終了した患者様です。コルチコトミーに加え、デーモンシステム、さらに矯正用SMAPシステムを利用して非抜歯にて治療終了した患者様です。この症例は来年度に論文化して日本矯正歯科学会指導医の申請論文にする予定です。
長々とした文章を最後まで読んでくださってありがとうございました。
次回からは週に1回は更新をしていきたいと思います。
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