みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です。
最近は寒くなったり暖かくなったりする日が交互にくりかえされますね
まさに、三寒四温ということばがどおりの気候ですね!
ちなみに、三寒四温(さんかんしおん)とは冬季に寒い日が三日ほど続くと、そのあと四日ほど温暖な日が続き、また寒くなるというように7日周期で寒暖が繰り返される現象。朝鮮半島や中国北東部に典型的に現れる現象で、日本でもみられる。一般に寒い日は晴れで、暖かい日は天気が悪い。日本では本来は冬の気候の特徴として使われたが、最近では春先に使われることが多い。
もともとは中国北東部や朝鮮半島における俚諺であって、シベリア高気圧の勢力がほぼ7日の周期で強まったり弱まったりするからと考えられているとのことです。
私など、一般人は冬の間運動不足のため、基礎免疫力が低下しております。
そういう人は三寒四温の寒の部分で風邪をこじらす人が多いいと聞いております。少々暖かくても上着を1枚多く着るくらいでちょうど良いと思います。
まあ、そんなことで春はもうすぐですね!暦の上では12月31日が年度末で1月1日が年始ですが、学校や会社、といった社会生活上は3月が年度末になります。そのため、入学や転勤といった方も非常におおく、新しい環境が開始する前に顎変形症の手術を希望される方が非常に多くいらっしゃいます。
また、特に転勤や入学等関係がない人にとってはこの後の5月連休~夏休みといったところが手術のピークになってきます。当院の患者さんでもすでに7月31日の手術予約が入りました。こんなに先なの?と思う読者の方もいらっしゃいますが、歯列矯正治療はおおよそ1か月に1回の来院です。
そのため、7月31日ということは、3月に1回、4月に1回、5月に1回、と7月までに5回しか処置する機会がないということです。
残り5回といえばあっという間ですよね?つまり、治療期間で考えると長期間なのですが、治療回数で考えるとそうでもないのが歯列矯正治療なのです。
顎変形症手術で後悔しないために、患者さんが気を付けるポイントは?
話がそれてしまいましたが、顎変形症の手術はいくつか方法があります
一番代表的な手術は、下顎だけの骨を移動する方法です。
これは下顎矢状分割術とよびます。
歯科医師、歯科学生向けのサイトの説明を添付します。
http://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E382AB/10179_01.php
このサイトは歯科医師、歯科学生向けに作られたサイトであるので内容はかなり高度ですが、
これから手術を受けられる方はこのくらいの説明は外科医師から受けます。
ですので、この説明を読んで怖くなってしまう人も何人かはいると思います。
一般矯正治療で歯の抜歯を説明した際、抜歯すら拒否する人がいるのですから、手術を拒む人がいてもおかしくありません。
つまりは、患者さんにとっては命がけの選択になるということです。
では、実際の手術はどうなんでしょうか?
答えは外科手術も歯列矯正治療も難易度に関しては変わらないということです。
つまりは外科手術だけが大変なことではなく、歯列矯正治療も非常に難しい歯科処置なのです。
違いは、痛みや入院を伴うかいなかといった部分であります。
熟練した医師が担当すれば安全におこなわれる手術であることは間違いありません。
やはり、医院選び、医師選びというのは本当に慎重に行った方がよいと思います。
当院では2月中に行われた手術件数が5件あり、そのうち4件が下顎矢状分割術でした。
つまり、医院の手術件数の半分以上がこの手術になります。
当院がお願いしている医療機関でこの手術をおこなう場合の目安としては、手術時間が60分~90分、
出血量が50cc~100ccと説明します。
ただ、この方法で改善されない症状の場合は追加の手術が必要になってきます。
代表的な手術方法はルフォー1型骨切術という方法です。
この方法はさきほどのサイトにものっておりません。つまりは歯科学生レベルでは知らなくて良い知識ということです。
ですので、下顎の手術はできても上顎の手術はできないといった先生がいるもの事実です。
手術自体はいつも見学している私からみれば、下顎の手術よりも良くみえる分だけ安全にできそうなのですが、神経や血管が多数走行していることもあり、出血の心配があります。
出血してしまうと、視野がせまくなり、手術時間が長くなってしまいます。
もちろん、私が執刀をお願いしている先生はベテランの先生ですので、心配はありませんが、上手な先生の手術を見学して自分もできると思って勘違いしてしまうと大変なことになると思います。矯正治療を受けている患者さんが担当の先生が簡単そうに装置をつけたり針金を曲げているのと同じといえます。
ちなみに、ルフォー1型骨切術の場合は出血量が200cc、手術時間が60分~90分くらいです。
先ほどの下顎手術と併用する場合が多いいので、トータルすると手術時間が120分~180分 出血量が250ccくらいと思います。
ただ、この数値は全国平均のレベルではないことを認識してください。
全国平均はおそらく上記の2倍の数値つまり、下だけなら手術時間が2時間から3時間、上下ならば4時間から6時間になってきます。 われわれ歯科医師は技術職ですので、このような違いがあるのは当然と考えております。
そろそろ診療がはじまってしまいますので、結論をお話すると、下顎の手術だけて対応できない症例は正面からみて顔が曲がっている人の場合です。
写真は歯科用CTから構築された人の顎骨画像です。顔が曲がっているのがわかります。
この部分に上下の歯列を組み込みます。
わかりやすく、色をつけさせていただきました。
上下の歯列は向かって右側にもちあがっているのがわかります。
下顎に上下の歯列をのせた状態です。床にまっすぐに立ってもらっている状態でこれだけ歯列が右あがりです。
上下の歯列だけの拡大写真をみるとよくわかります。
これをまず、上の歯列を顔面と並行に移動するのがルフォー1型骨切術なのです。
骨を切るラインを図で解説しますと
色分けされた部分を並行にカットします。
カットして上の歯列だけをうごかします。
もともとの状態は
移動した状態は
これらを重ねあわすと
いろの違いが移動した量となります。
すこしわかりやすく表示したいので、治療前を赤、治療後を白で表示しますと
このようになります。
アップした部分は
このように映り、下からみてみると
このように移動量が表示されます。
それにあわせてかみ合わせを完了するために下顎を移動します。
上下の白い歯は移動後のかみ合わせとなります。
下顎はどの部位が移動したかというと
黄色と赤い部分で骨を切断しております。
骨の切断方法はhttp://www.oralstudio.net/stepup/jisho/sakuin/E382AB/01689_03.phpを参照してください
この黄色と赤い部分のずれが下顎の移動量となります。
実際はうしろに出っ張る部分は削ってしまいますので、この患者さんの場合は下顎が小さくなります。
反対方向に顎をずらせば、下顎を大きくすることもできます。
外科的矯正治療のゴールは上下の歯列のかみ合わせを良好な状態にするのはもちろんなのですが、
かみ合わせが改善しても顔のゆがみが改善されない可能性がある場合はルフォー1型骨切術が必要になります。
当院ではルフォー1型骨切術が必要な患者さんに対しては、このような歯科用CTをつかった術前診断をおこなっております。また、その上で手術に必要な資料もCADCAMを用いて作成しております。
1症例あたりのコストが数万円かかりますが、現在のところはすべて無料で作成しております。
つまり、治療すれば治療するほど赤字なのです。
たしかに、この部分だけみえば大変な赤字なのですが、医院全体のトータルで経営できているのであれば問題ないのではないかというのが自分の考え方です。
この方法を導入することによって、手術前から結果を予測するのが簡単になりました。
9時10分まえになってしまいました。 時間がくるのは本当にはやいものです。
今日も1日がんばります!
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