みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です。
東京は一昨日からイヨイヨ春の予感がしてくる陽気となってきましたね!例年よりも桜の開花が遅くなる予報ですが、春からの新入学時期に咲いてくれれば気分も前向きになるでしょう。
さて、最近は本当に仕事しております。毎日の診療は予約患者さんで一杯です。また、そのような状況ですので初診相談の予約もとりずらく、従来ならば初診相談に来院された患者さんが当日に矯正検査といったこともできたのですが、現在は初診相談は相談のみ、検査希望の場合は後日改めて検査の予約といった流れにさせていただいております。残念ながら初診相談の予約患者さまのキャンセル率が非常に高くしかたないことを御理解してください。
そんなわけで診療時間中にはブログを書く暇も、電話する時間もほとんどなく、皆様の治療計画を立案するのはどうしても早朝か深夜になってしまいます。
今まで17年間歯科臨床をやってきたノウハウでの診断であれば1症例30分~1時間もあれば治療計画を立てることができますが、最新の診断機器を用いた治療計画となるとそうはいきません。
なぜなら人から教わるだけでなく、自らが日本の矯正臨床のレベルを牽引する側であるため努力の量と比較して進歩するスピードが非常に遅くなってしまいます。
わかりやすく言えば、エベレストなどの登山の頂上アタックの先頭人は後ろに続いてくる人の何倍も労力を使っております。また非常にリスクも抱えて登山をするといったお話をお聞きになったこともあると思います。
一般的な開業医は人が登ってきた道を後からついていくのが王道ですが、私の場合は自分がもう少し努力すれば自分が一番に頂上にいけることが見えてきたといっていいでしょう。小学生のころからスポーツや勉強で頑張ってきましたが、自分が一番に頂上にいけることは一度もありませんでした。40歳を過ぎて三度の食事よりもすきな歯科矯正学という自分の仕事分野でしかも1開業医という立場でこのようなチャンスを与えられるなんて開業当初は想像もつかなかった領域まで来ることができました。
これも札幌のユニ矯正歯科の古谷先生。
川崎のイデア矯正歯科の布留川先生。
このお二方の先生の支援に加えて、さいとう歯動塾の斎藤茂先生の協力なしにはここまでこれなかったと思います。この3名の先生方は、研究者としては私の技量の数倍上といくスペシャリストです。
新しいことにチャレンジする場合はそれぞれ役割分担があります。私の役割は現場係りといった役割です。つまり頭よりも体力をつかうというと理解しやすいです。ですが、後方部隊に支援して指令してくれると現場はスムーズに事が進みます。仲間がいると約束もありますし、時には励ましてくれることもあります。
前置きが非常に長くなってしまいましたが、現在は顎変形症の難易度の高い手術に限定してシュミレーションをおこなっております。
またシュミレーション上でCADを使用した手術後の顎位置決めガイドプレートを作成しております。
今回のテーマは
【顎変形症 シュミレーション画像】質の高い外科矯正治療を目指して
1症例、治療計画を立案するのに約5時間時間がかかります。
これを札幌と川崎と東京をインターネットでつないでスカイプを用いた会議方式で議論をおこなっております。
だいたい夜の10時くらいから開始して朝方の3時ころまで時間がかかります。
自分の患者さんでもないのにそんな時間に議論につきあってくれるというだけで、変な人と思われても仕方ありません。
事実、矯正業界では我々は変な人(つまりできそうもないことを真剣にできると思って努力している人達)と思われているそうです。(笑)
この方式が一般的になれば僻地に住んでいる人も東京などの大都市と同等の医療を受けることが一般的となります。
これは非常に大切なことです。国民の医療はみな平等に受ける権利があります。
先日、外科矯正手術をおこなった症例です。
むかって顎が右側に曲がっているのがわかると思います。
歯並びの部分だけのデータを抽出するとこんなかみ合わせです。
手術の結果、かみ合わせを均一にすることは比較的容易ですが、顔の輪郭を可能な限り左右対称にするにはとても難しいです。すくなくとも従来の2Dの外科矯正手術計画であれば不可能な領域でした。
かみ合わせだけを改善するとこのようになります。
つまり
の状態から顎を動かして
といった具合に修正するのです。
ここまでは一般的な方法で対応可能だったのですが、左右の輪郭がどこまで対象にできるかといった予知性。
その手術計画が現実的にみて対応可能な顎の移動量におさまっているかどうかの評価。
上記の計画が安全におこなうことが可能かどうか?
といった部分まで突き詰めていくとこのような計画となっていきます。
つまり、飛行機のパイロット研修生が実地訓練の前にフライトシュミレータというのを使用したり、自動車運転免許教習所でドライブシュミレーターというのを乗車したことがあると思います。
それと同じことをやってます。
いままでもシュミレーションはできたのですが、シュミレーション結果を手術にインポーズすることが難しかったのです。つまりシュミレーションは机上の理論話であり、現場では対応が異なってきてしまうということがありました。
このシュミレーションと現場での一致がかなりの精度で向上することが現実の手が届くところまで到達してきたということです。
ようやく診療所名と臨床レベルが一致してきたなあと実感してきました。
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