みなさまおはようございます。
東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です。
さて、今年も本日で最後の診療となりました。
今年1年間、自分自身および診療所が成長してこれたのも、みなさまのおかげでございます。本当に1年間ありがとうございました。
私は開業する以前は昭和大学矯正学教室に10年間勤務し、開業し6年が経過しました。おおよそ大学病院の勤務している期間の半分を開業医として経過したのですが、臨床経験値としては2倍以上得ることができたと思います。
理由を列挙すると
1:症例数に関しては3倍程度増加
2:組織ではなく、自分が院長という立場なので、判断および行動が素早い
3:結果にたいするフィードバックが早い
4:大学時代も仕事熱心でしたが、年間300日以上は歯科関係の事をしている
5:矯正専門の枠を超えて、インプラントや審美歯科等、包括的歯科医療の実践
という感じです。
その中で特に実践できたこととしていわゆる6カ月で終わる歯列矯正という、スピード矯正があります。
結論としては、6か月ですべてを終了するスピード矯正は難しいということです。
1歯から数本の歯並びを改善するような部分矯正ならまだしも、今回の症例のような、かなりの修正が必要な症例の場合、6か月では難しいです。
顔の変化を望むと治療期間が長くなる?半年で終わる歯列矯正とは?
スピード矯正の適応症は写真のような歯並びがガタガタであり、
かつ、骨格的な不正が少ない症例がベストです。
つまり、出歯やしゃくれ等、歯並びに加えて、顔貌の改善も望む場合は治療期間が延長すると思ってください。
写真は装置を装着した日に撮影しました。
おおよそ3カ月後の写真です
3か月でご本人が気にされていた、
1:前歯の真ん中と顔の真ん中が一致していない
2:歯が斜めに傾いている
3:前歯が内側に入っている
などの症状は改善したものの、歯に隙間がのこってしまっています。
結局のところ、こういう部分をブリッジやインプラントで閉鎖してしまえば、
6か月で矯正治療が終了ということは成り立つのですが、、、、、、、
矯正治療単独で隙間を閉鎖するとなると、残り3カ月では少し厳しいです。
そうなるとどの程度の期間で治療可能かということになります
A:抜歯が必要ない症例の場合、8カ月から10カ月
B:抜歯が必要な症例の場合、1年から1年3カ月
といった感じでしょう。
スピード矯正もマウスピース矯正同様、適応症があります。
カウンセリングの結果、自分にとって都合がよいと思い、治療を開始したものの、結局満足した結果にならないことも多く聞きます。
矯正治療の場合、結果がわかるのが先ですので、今はなんとも言えませんが、治療を引き受ける担当医のモラルも大切なことと思いました。
来年も自分自身にとっても患者さんに対しても正直な診療をこころがけるように頑張っていきます。
1年間ありがとうございました。新年は6日から診療を開始します。
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