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【歯科矯正治療の経過から見る】抜歯部位で仕上がりは異なるのか?

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桜満開が近づいてきましたね!
僕は花見といえば、大学卒業して研修医1年目の時に場所取りをさせられました。
先輩の先生方が到着するのは夕方から夜間です。

当時、新人研修医になったばかりの自分は昼間からポツンとブルーシートを広げて場所とりでした。
今と異なり、スマフォなどはなかった時代です。
そもそも、学生時代に花見などしたことがなかったのでどんなものかよくわかりませんでした。

何もすることがないし、とても寒かった思い出しかありません。
それ以降、23年間、いわゆる宴会チックな花見をしたことがありません。
仕事帰りに満開の桜並木の下を歩くだけで十分です。

みなさんも風邪をひかないように気を付けてください。

 

それでは、本日のテーマです!

歯科矯正治療の経過から見る、抜歯部位で仕上がりは異なるのか?

このテーマは私が大学病院に勤務していた当時から、よく議題にあがりました。
実際、大学病院内のすべての抜歯症例を調べて、4番と5番の違いによる治療期間の差異なども論文にした記憶があります。

当時のオールドスタイルの矯正治療の場合は4番抜歯の方が、5番抜歯よりも平均で半年程度は治療期間が短くなりました。
これは、単純に抜歯部位の違いだけでなく
当時は主となる抜歯部位が4番であり、
5番を抜歯する場合はそれなりに事情がある場合だからです。

それなりに事情がある場合とは?

1:5番目が銀歯で4番目は白い歯の場合
2:4番抜歯だと、前歯の後退量が多くなりすぎる場合
3:歯茎がさがっている、歯周病である

ほかにもいろいろとあると思います。
たとえば、こんな感じです

向かって5番目の右側はセラミッククラウン、5番目の左側は銀歯がはいっています。
また、当時は4番目が主流でしたので、

4も5も健康は歯にもかかわらず5の抜歯を選択する場合は
症例の難易度が高いと推測できます。

 

それでは
現在の歯科矯正の技術ではどうでしょうか?
4でも5でもほとんど差がないでしょう!

同じ症例を4抜歯と5抜歯で治療の比較ができないのが残念ですけど。
現在ならば
右が4、左が5

上が4、下が5

どんな関係でもアレンジはできます。

ただし、

上下左右4番と上下左右5番抜歯の場合は

やはり上下左右4番の方がやりやすいです。

また、

裏側矯正治療の場合は
4番抜歯よりも5番抜歯のほうがやりやすいです。
このあたりのノウハウについては
臨床経験が豊富な人でないとわかりません。

それでは症例です

上下前歯のガタガタが主訴です
下前歯の歯肉(とくに、犬歯部分)が下がってます。
このまま歯列矯正治療をすると歯茎がさがり、

歯が長くなってしまいます。

上下左右4番目の歯はすべて健全歯です
一方で5番目の歯は4本中3本は虫歯処置
しかも2本は神経をとっています
奥歯に治療途中の歯があります。

下の犬歯に歯肉移植をしました。

付着が獲得できたので、つぎに矯正治療開始です

下前歯の歯肉に注意するので、できるだけ下前歯には装置をつけたくないです

一方で、上の方はインプラントアンカーでどんどん進めます。

下はゆっくりでちょうど良いくらいです

この段階でも下前歯はブラケットセットしません。

上の歯は並んできましたが、下も自然に少し改善してきます

ちょっと戻って

だいぶ変化がわかります

上のほうは隙間なくなってきました

 

最終仕上げです。

犬歯の歯肉もさがっておりません

虫歯治療途中の奥歯もブラケットをセットしました。

最終資料です

治療期間は21ヵ月でした。

やはり、治療のステップステップで細かな配慮が必要です。

5番抜歯の場合、6番のコントロールもかなり難易度が高いのですが

ワイヤーベンド、トルクなどで工夫をしてます。

歯列矯正治療前だけでなく、歯列矯正治療中、歯列矯正治療後でも

歯茎のメンテナンスは大切です

通常のブラッシングだけでは不十分ですので、

コンクールを用いた薬液消毒をすすめます!

通常歯科医院でしか販売していない、デンタルケアグッズが割安で購入できます。

本日も最後までありがとうございました。

 

 

 

 

 

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