みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です
今週は週のはじめから日本矯正歯科学会が開催されておりました。
僕は1日目も2日目も発表がありましたので、診療所の方は休診とさせていただき、両日参加してきました。
学会の時に診療所を休診にするか否か非常に悩むのですが、スタッフの有休休暇を消化するという意味においては、学会の場合は1年前から日程が決まっていることもあり有休消化をお願いしやすいこともあります。
歯科のような所帯の小さな職場の場合は個々がかってに休暇をとってしまうと診療になりません。協力していただけるスタッフには本当に感謝しております。
さて、学会発表の1日目はラウンドテーブルデイスカッションという結婚式の披露宴のような円卓に10人ほど人が集まって自分がモデレータを努めさせていただくといった内容でした。 演題数が11題あったので、テーブルの数が合計11あり、参加者が約110名といった内容でした。
隣のテーブルの演者は母校である昭和大学名誉教授の福原達郎先生でした。福原教授が演者なのは事前の学会雑誌では承知しておりましたので、開始前にご挨拶に伺いました。福原教授の講演の参加者の中には自分が大学卒業時に新人で入局した当時の准教授・講師がおり、併せてひさびさのうれしい再開となりました。
ラウンドテーブルの講演はそこそこ盛り上がり、予定していた90分を過ぎてもなかなか解散にならずに進行係りの方から早く退散するようにせかされてしまいました(笑)やはりわずか90分では当院がおこなっている顎変形症の診断から手術計画~外科医との連携までを説明するには時間が足りませんでした。
顎変形症の場合は複数の医療機関もしくは同一医療機関でも複数の医師において治療がおこなわれるため、いかに相手の立場になって考えることができるかが、治療の成功の秘訣といえます。
また、2日目の発表は昼休みの60分間を利用しての質疑応答でした。 結局3名の先生が質問にきていただき、それらの先生はすべて自分よりも年輩の先生であったこともびっくりしました。
もう少し若手の大学院などの先生が質問に来ていただけたらうれしかったなあと思います。
時間もなくなってきましたので、本日の症例です
ここのところ前歯を抜歯した歯科矯正治療といった流れできましたので、今日のテーマもそれにつづきます
本日のテーマは
【出っ歯 抜歯 経過】下前歯を抜歯して矯正治療するとどうなるか?
1症例目は現在治療途中の患者さんです。結婚式で一時的に装置を外ました。これで治療終了ではありませんが、参考になると思い使用させていただきました。
それでは初診の状態です
歯列もかなりの状態ですが、問題は歯肉の状態が薄いのが対応に苦労します
上下歯列ともにどこかしらの歯を抜歯しないと歯列を排列するのは不可能でした。
上顎に関しては通常どうりの抜歯部位で対応できましたが、下顎に関しては歯肉の状態が非常に悪く下の前歯2本を抜歯することで対応しました。
治療途中ですが、結婚式のために一時的に装置をはずしました。
治療は結婚式後に再び装置をセットして再開します
つぎの症例です。
本症例は過去にも数回ブログで使用させていただきましたが、下顎2番目の歯を抜歯して治療をおこないました。
正面からみると一般的な叢生ですが、この症例も犬歯の付着歯肉の高さがほとんどありません。
当時はインプラント矯正治療という方法もなく、歯肉移植といった方法もありませんでした。
つまり、この時代はこの治療方針以外には他の治療方法を選択することができませんでした。
今であれば他の抜歯部位といった治療方法も選択可能ですが、長期的に治療後の経過をみていると
この診断で良かったと思います。
文字数の関係で治療終了時の写真ですが、現在においても安定した歯列咬合を保ってます。
治療後8年ほど経過しておりますが、問題なく年2回のメンテナンスにきていただいております。
8時になりました。
それでは今日も1日がんばりましょう!
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