みなさまこんばんは。
東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です
みなさまシルバーウイークはいかがお過ごしでしょうか?
私は診療所を休診いたしまして、スタッフを連れて宮崎まで学会にいってきました。
第37回、日本臨床矯正歯科医会大会です。
日本にある歯科医院の数は65000件といわれております。
そのうち、矯正歯科を標榜している診療所が約30%20000件と言われておりますが、この日本臨床矯正歯科医会に加入している診療所は全国に400件強しかありません。
それだけレベルの高い団体ということなのですが、無事に私も本年度に入会を許可していただきました。
さて、本日も21時を過ぎるところです。今朝は連休明けで雑用もいろいろとあったため、朝8:30過ぎには診療所に到着しましたので、すでに12時間以上いることになります。時間もあまりないので早速本題にはいります。
本日のテーマ: 正中線を一致するのは難しいのですか?
結論としては上下正中線を一致するのはとても難しいです。
仮に上下の正中線が1ミリないし1.5ミリずれて治療完了するのに比べたら、治療の難易度は2倍くらいになると思います。
難易度が高くなる分、当然治療期間も難しくなります。
しかしながら、矯正歯科医師の腕の見せどころです(笑)
そのようなリクエストがある場合、可能な限りお答するのもまた事実です。
まず、添付する写真をみてください。
写真上段が初診時、黄色い線がはいっているところが上下の正中線です。
写真の角度がいまいちなのでわかりずらいと思いますが、歯が1本分ずれています。
次に展開した写真をみましょう
わかりやすいように写真の中にグリッドをいれました。
左右の奥歯のポジションがかなり異なっていることが理解できますか?
つまり、不正なポジションにある上下左右の奥歯を一番後ろから順序よく並べていった結果、上下の正中線が一致するのです。
左右の歯のサイズが異なれば、なかなか一致しません。銀歯などの治療がたくさんある方の場合は、左右の歯のサイズがことなります。
また、正面から見て、前歯は左右で大きさがことなる人もたくさんいます。
左右の抜歯する部位が違う場合も、残された歯のサイズが違ってくる結果、正中を一致する処置はとても難易度が増します。
矯正歯科の先生なら本日の症例がいかに難しいかが理解できるはずです。
なぜなら、上顎は左右4番抜歯に対して、下顎は左右の5番が先天性に欠損しており、左下に残っている乳歯を抜歯をするという変則抜歯なのです。
右上奥歯は最大の固定とし、1ミリも前に動かさないよう
一方、左上奥歯は中等度の固定とし、右上奥歯と同じレベルまでは前に移動
左下は最小の固定として、乳歯を抜歯した空隙をすべて奥歯を手前に移動
と 言葉では簡単に言えますが、ワイヤーを曲げて表現するのはとても難しく、
患者さんの協力が不可欠です。
歯列矯正治療は患者さんと先生の共同作業です。
したがって、こちらがお願いする項目を100%確実におこなってくれる人には期待通りの結果がついてきます。
成人矯正治療の多くが、口のなかにいろいろと詰め物があったり、前歯を治療済だったりしている場合が多いいことと、
とにかく早くワイヤーを外したいリクエストが多いいなど。
正中線を一致したくても一致できない理由がいくつかあります。
プロ矯正歯科では1年6か月のワイヤー期間を一つの目標にしております。
しかしながら、完璧を追求したい患者さんが来るとうれしいです。
当然治療期間が長くなりますが、完璧な治療結果はそれはそれで充実感があります。
さて、明日の診療開始まで12時間を切ってしまいました。
明日もがんばりましょう!
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