外科矯正が知りたい

【外科矯正手術】外科矯正手術によって側貌の改善を試みる場合

みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です!

1週間あけてしまったブログですが、みなさまの熱い支援のおかげで順位を落とすことなく、結果的には順位をアップさせていただきました。本当に感謝しております。

最大でも週に1回しか更新いたしませんが、すぐに戻れますので訪問時にはクリックをよろしくお願いします!


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9月末にテレビ出演をさせていただきました。
詳しくはこちらをみていただければありがたいです。
じつは、このテレビはスカパーというケーブルテレビの美容と健康のチャンネルでした。
放送のあと、テレビ朝日から取材の依頼が来たのはとてもびっくりしました。

ちょうど昼やすみで自分は不在だったこともあり、受付が対応したのですが、テレビ朝日ともなると、電話口の院長が不在の場合はすぐにほかのクリニックにコンタクトをとってしまいます。あくまでもテレビのネタの1つですから必ずしも当院である必要はないということでしょう。せっかくのチャンスでしたのでとても残念でした。

自分の近況報告としましては。福岡で開催された日本矯正歯科学会に参加してきました。

今回は予定していた初日の早い便の航空券がとれなくなってしまい、急遽新幹線での福岡入りとなりました。

新幹線での移動はおもったほどより快適でした。電源もあったので雑用もさくさくとできましたし、しいていえばネット環境が今一つだったことですね。

一方で学会のほうはどうかというと、今回は発表もなくただの参加者でした。
昨年の千葉幕張メッセでの大会ではポスター発表にランチセミナーと多忙だったのと比較すると ただの参加者というのはとても物足りなかったでした。

やはり、学会にいく以上は発表をしてなんぼということが改めて認識できました。

学会からかえってきたら外科矯正患者さんの手術準備に追われております。
本日も早朝からプロ矯正歯科にて1仕事をしました。

そのため、本来ならば前回のブログの続きということでしたが、時間の関係で今朝がた自分がおこなっていた仕事の一部をお見せします。
当院では上顎を手術する患者さんには全員無料でコンピュータを用いたシュミレーションをおこなっております。

実は、多くのクリニックではいまだにレントゲンを用いた紙によるプレデイクションが一般的です。
もちろんそれが悪いのではなく、紙によるプレデイクションで得られる情報は限られておりますので、
それを補うという形でこのようなことをおこないます。

それでは従来のレントゲンと紙をもちいたプレデイクションはどんなものなのでしょうか?

【外科矯正手術】外科矯正手術によって側貌の改善を試みる場合

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これは側面頭部X線規格写真といいます。これをもちいて各部位の長さや角度計測をおこないます。
歯科矯正学の勉強を学んだ人間であえば、日本語に例えればあいうえおといった50音に相当します。

日本の歯科医院にてこの分析すら行わないで歯列矯正治療をしているクリニックがいまだに多数あるのが信じられませんが事実なので仕方ありません。数十万の治療費用をもらうのに検査内容が適当なのはあんまりといえます。

ここから紙によるプレデイクションです

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このようにレントゲン上にトレーシングペーパーを用いて分度器とものさしでいろいろと作図するのです。

外科矯正治療をおこなう場合はこの分析は最低限必要です。
当院でも下顎のみの手術患者さんに対しては この分析のみの対応としております。

理由はかみ合わせを改善するということが主体の外科矯正治療ですので、 上顎を移動しないということは、全体の変化量もおのずと決まってしまいます。

つまり、労力の割に得るものが少ないということです。
それでは テレビでも取材対象になったアメリカ最新のソフトだとどんな感じになるのでしょうか?
本来ならば、本人の顔写真もはいるのですが、個人情報保護のため今回は顔写真はカットしております。

まずは横方向の分析です

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レントゲン写真ですとこの状態です

 

 

 

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CTをもちいた場合は3次元的にいろいろと検討できますので正面の計測がとても有効です

 

 

 

 

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ここから、上顎を手術によって移動していきます。

つまり、PC上での仮想手術です

 

 

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正面ですとわかりずらいので横方向にしますと

 

 

 

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このように上顎を移動します。

つづいて、かみ合わせの改善のために下顎を移動します

わかりずらくなるので、移動する部位の顎だけを拡大します

 

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顔の皮膚相当部分に赤色の線と黒色の線があります。 これが術前と術後の顎の移動量の変化です

さらに側貌の改善のためにオトガイ水平骨切りを加えます。

 

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さらに、手術用のスプリントをPC上で作成します

 

 

 

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上下の歯列を介して完成です

 

 

 

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今回の症例の場合は
1:顎の前後幅に加え、
2:上下的な改善
3:さらには正面での上顎のゆがみの改善を試みてます。

下顎のみの手術の場合は 顎の前後幅の改善は可能ですが、 上下的、正面の上顎のゆがみの改善はできません。
紙によるプレデイクションと比較すると格段の進歩ですが、この手術計画は

自分のクリニックにdolphin3Dというソフトに加えて、CTがあることが必要になります。
これらの施設は当院の関連病院である 大宮のプロCTセンターにあります。

つまり、プロCTセンターで撮影したCTおよびソフトをもちいてPCによる仮想手術をおこなっております。
大宮のプロCTセンターと東京のプロ矯正歯科は別採算のクリニックです。

そのため、本来ならば CT撮影も PCによる仮想手術も 患者さんに対して別途費用請求できます。
なぜなら、保険治療では従来法である紙によるプレデイクションしか治療費用を請求できません。
しかしながら、当院では患者さんから上記の費用をいただいたことはありません。
さらに、シュミレーションをおこなった患者さんは全例、手術室に入って手術に同席しております。
1日診療を休診しての手術室同席です。
もちろん給料もありませんし、クリニックは開店休業状態、人件費だけ出ていきます。

文章をよく読んでもらえればお金のためにおこなっているのではないこともわかると思います。
患者さんにはいろいろな人がいて、無料と聞くと初診相談の段階からPCによるシュミレーションを要求してくる患者さんも結構な数いらっしゃいます。
また、患者としての権利を要求してくる人も結構な数おります

そのような場合は特例としてシュミレーション費用をいただいております。
当院で治療を受けるか受けないかわからない段階で自分の大切な時間を何時間を費やすことは僕には難しいです。

先日も後輩の歯科医師から外科矯正の初診相談患者さんが来院されたのですが、
あいにく、混雑していたこともあり30分ちょっと待たせてしまいました。

ところが、その患者さんは帰ってしまいました。
確かに待たしたことは申し訳ないのですが、こちらとしても目の前の患者さんの治療で手抜きできないことは手抜きできません。

初診患者さんよりも目の前にいる治療している患者さんの方が数倍大切な患者さんです。
この点は御理解してください!
僕は 患者さんの外科矯正手術では数時間待つことはざらにあります。

朝1番の手術が長引けば、2番目の手術開始は当然遅くなります。
確かに、いつでも自由に予約がとれる歯科医院もたくさんあると思います。
人それぞれ価値観はいろいろあると思います
プロ矯正歯科に関しては土曜日の初診相談はほぼ受けることが不可能な状況です

ですので、診療のキャンセルは治療期間の延長に直結しますので、何卒よろしくお願いします

それでは本日も1日がんばりましょう!

プロ矯正歯科



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