みなさまおはようございます!
歯列矯正・外科矯正でおなじみのプロ矯正歯科院長 田中憲男です
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今日のテーマは
なぜ、歯列矯正治療は矯正専門医が多いいのか?
私が大学を卒業した約20年以上前は、歯列矯正治療といえば歯に銀色のブラケットを装着してワイヤーぐるぐる巻きといった治療がメインでした。
また、抜歯治療の割合も多く、成人矯正治療は少数でした。
それが、近年は 裏側矯正やマウスピース矯正などといった治療方法のバリエーションも増えたことに加え、
治療を担当する歯科医師の先生も矯正治療を専門としない一般歯科の先生が担当する機会も増加してきたとおもいます。
実際、歯科医師会の集まりでも歯列矯正治療の話題等はなしに上がることが多々ありますし、外勤先の院長が自分で歯列矯正をおこなったり、同級生や同窓生の先生から治療の相談をうけることも多くなりました。
自分の人生を振り返ってみると、研修医時代の生活は今よりも過酷な勤務状況でした。
朝7時には医局に出勤し、医局の共用スペースの掃除からはじまり、コーヒーをいれ、お茶をわかす。最後にゴミ捨てです。 その後、1日中診療の見学や学生授業の手伝い、試験監督などをおこない、ようやく自分の時間が作れるのが夕方18時からでした。
だいたい夕方18時から25時(25時を過ぎると病院の出入りができなくなり、泊まることになってしまいます。)まで仕事をおこない、徒歩10分程度のアパートに帰宅するのが25時30分とかといった生活でした。
そんな歯科矯正学という学問を学ぶために必死に勉強していたのにもかかわらず、歯列矯正治療は結果が出てくるのに時間がかかることもあり、卒業1年目の時は将来の展望が見えず、暗闇のトンネルをひたすら掘り続けるといった鉱員のような生活でした。
幸い、同級生に留学生の陳先生がいたこともあり、陳先生は5年間台湾で歯科矯正学を学んでの留学だったこともあり、僕にとっては良きパートナーとしてまた、良き先輩として助けてくれたこと、わざわざ日本に留学に来る彼のハングリー精神にも影響を受け、挫折しそうになりつつも、卒業2年目くらいからは歯科矯正学の面白さにどっぷりとはまっていきました。
研修医時代は一切、歯科医師としてのアルバイトは禁止でした。
つまり、歯科矯正学を学ぶ時間は24時間あったも少ないくらいということ、教育を受けるために経済的に余裕がない人はわざわざ来る必要はないといった場所でした。
実際は矯正科の先輩方は女性の先生は比較的裕福な方が多かったですが、男性の先生はどちらかというと貧困な方が多かったです。つまり、純粋に学問として学ぶことを志ている人が多かったです。指導医の先生、同期の先生にも本当に恵まれてとても充実した研修医をさせてもらいました。
研修医時代から現在まで21年間ずうっと矯正歯科の技術の向上のために学びつづけておりますが、本当に歯列矯正治療は難しいです。
材料や技術の進歩は多少ありますが、基本的な操作はかわりません。
自動車に例えれば、マニュアルギアのシフトからATになったという程度です。
つまり、くりかえしますが、歯列矯正治療をマスターするためには基礎的なトレーニングをしっかりと行わないととまったく話にならないということです。
スポーツに例えれば、野球やサッカーは初めてやってもそこそこ楽しいですが、ゴルフやテニスはどうでしょうか? 特に、ゴルフに関してはやったことがある人ならわかりますが、楽しいというゾーンにいけるまでは相当なトレーニングが必要だと思います。
しかしながら、ゴルフ場にも結構いますが、基礎的なトレーニングをまったくやらないで、いきなりコースにてプレイをしてしまう人が非常に多くなってしまいました。
昔はそういう人はゴルフできなかったのですが、近年の不景気によってコース側も仕方ないといったところです。
歯列矯正治療もゴルフと同様といったら失礼ですが、基礎的なトレーニングをまったく受けずにいきなり本物の患者さんを治療してしまうといった先生が増加してしまいました。
なぜ、増加したと断言できるかといえば、先ほどの話にもどりますが、歯科医師会、大学同窓会、外勤先の院長先生、多くの先生が歯列矯正治療をおこなっている割合が高くなっているからです。
なぜなら、歯科医学を勉強すれば勉強するほど、歯列矯正治療の必要性が理解できるのです、
だれだって、条件の良い歯列にしてから、ブリッジやインプラントをおこなったほうが、その後の経過がよいことはわかると思います。
つまり、患者さんのことを思って歯列矯正治療をおこなっているのです。
それらの先生は基礎的なトレーニングをしっかりとおこなっている人もおりますが、多くはまったくの素人です。
そんな中、知り合いの先生が患者さんを紹介したいといって、連絡をいただきました。
話を聞いてみると、自分で矯正治療をおこなっているのだが、どうしても最後の仕上げがうまくいないので仕上げだけやってほしいとのことでした。
正直、面倒な仕事だなあと思いつつ、仕上げがうまくいかないなら、2、3回治療すれば終わる程度かな?と思いました。
ところが、来院された時の状況です
正面からみるとこのような状況でした。
とても2、3回で終了できる状況ではないですが、素人の人がみたら歯が並んでいるだけいいのでは?と思う人もいるでしょう。
横方向はどうでしょうか?
なんと、奥歯には矯正装置をつけた形跡がありません。
反対側もです
そもそも、前歯だけの部分矯正治療ならわかりますが、
よくみると、奥歯のかみ合わせはまったくかみあっていません。
上下の歯列横幅も著しくことなっておりました。
下の歯列です
結局、この状態で僕が担当医変更になった場合、きちんとした形に仕上げることが可能かどうか?
ということを考えました。
患者さんの了承を得て、レントゲン等の資料もとり、自分なりに分析をしました。
結論からいうと、きちんとした形に仕上げることは可能です。
ただし、大幅に治療計画も変更すること、
また、治療期間も最低追加で2年はかかること装置はすべて新規にやりなおしすること
といった状況でした。
患者さんにうかがったら、プロ矯正歯科に2~3回通えば終了するからといった説明を受けてきたとのこと
僕がだした結論は 自分の技量では治療を引き受けることができないといったことでした。
つまり、
歯列矯正治療は技術的なことだけではなく、治療期間が長期にわたるので、人間関係も重要になってきます。
治療の中では時にはおもったとおりにならないことも多々あります。
転医患者さんというのは本当に難しいです
これから歯列矯正治療を検討している患者さんたち
本当に情報収集は徹底してください。
それでは本日も1日がんばりましょう!
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