みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です!
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さて、みなさまシルバーウイークはいかがでしたか?
連休中は天候にも恵まえ充実した休日を過ごされた方も多くいらっしゃたと思います。
僕は家族サービス兼勉強会という形で仲間の歯科医師の先生家族数組と2泊旅行にいってきました。
新宿駅に集合し電車での移動でしたので3日間という限られた時間でしたが、家族サービスもでき、且つ先生方といろいろと建設的な議論ができたことはとても有意義でした。
これを機に次回は私が講師をさせていただくという形できちんとした勉強会を兼ねた旅行を企画することになりました。時期は未定ですが、来年の3月頃にできたらと考えております。
さて、本日のテーマは
【抜歯矯正】難しい症例は誰が治療しても難しい ~その後~
治療が難しい原因はいろいろとあるのですが、まずは読者の皆様に基本的な知識を整理しましょう
1:骨格的な要因 上下のアゴのバランスが前後的、左右的、上下(垂直的)なズレが大きい場合
つまり、歯列矯正治療は漢字のとおり歯列を治すのが目的です、上記の骨格的な要因の場合は歯がずれているのではなく、骨がずれているのです。骨のズレを歯を並べることで治すという部分で難しさのイメージができると思います。
2:習癖、鼻疾患等の要因
鼻が悪い人はたいていかみ合わせも悪く、それが骨格的に悪影響を及ぼすことが多いと思います。
具体的には 鼻閉の結果、口呼吸になる いつも口をあいている アゴの成長方向が下方になる といった具合です。 結局、歯列だけでなく鼻の疾患をなんとかしないといけません
習癖も同様で、 指しゃぶり 上下の歯列が開いてくる 舌突出癖の出現 異常な嚥下習慣の確率 など、歯科矯正治療を困難にしていきます
3:歯がうごかない
歯がうごかない原因はいろいろとあるのですが、一般的には(八重歯等で)上下の歯が接触しない結果、歯根膜という歯の感覚器が退化してしまうことで動かなくなってしまいます。この場合は全く歯はうごきません
他に、咬筋が非常に発達している人で筋肉の走行が歯列の走行に対して90度の角度で荷重がかかる人などは非常に歯の動きが悪いです。これは矯正検査をすればある程度予測できます。
ほかにもいろいろとあるのですが、今回は3番の歯がうごかないという症例のレポートです。
詳しくはバックナンバーを見ていただければ幸いです
それでは見る時間もないという方のために復習を兼ねて初診からの画像です
まず、左右の奥歯(大臼歯)の位置が非対称です。 これだけで治療期間は通常よりも6~9か月はかかります。(もちろん説明済み)
一方で上顎のガタガタも結構な状態ですが、通常は上顎の歯列不正に関してはどんな状況でも対応可能です。したがって、この程度は問題ない範囲です。
上の歯列は顔面とくっついておりますので、基準は上の歯列を整えていくほうが安全な治療と思います。
この時点で抜歯治療をしたくなかったのですが、患者さんが口元をひっこめたいといった要望が強かったので、この後抜歯治療に移行していきます。 現在も同様の症例をいくつか治療中ですが、今はすぐに抜歯をせずに歯を削って小さくする等の処置で対応することが多くなってきました。
下の歯にも装置を装着です
かなりガタガタがきびしいですが、抜かないで並べることが不可能といえばそんなことはなく、むしを抜歯した結果治療にはまってしまったでしょう。
しかしながら、抜歯せずに治療したら早く治療が完了したかというとそんなことはなかったと思います。
結局は、どんな方法をとったとしても 難しい症例は誰が治療しても難しいということです。
このように上の歯列は抜歯した直後は結構な空隙ですが、治療の難易度を増加させるのは下顎の歯列不正です
つまり
この左右非対称の奥歯が一番の原因であり、 次に 咬筋が非常に発達している咬合状態だったことです。
治療の後半は結構シビアな状況でもがき苦しみました。
この時点での問題は
〇しるしで記載されている部分です。まったくかみ合っておりません。
歯が動かないとどうしても強い力を加えたくなります。
強い力を加えた結果、動いてほしくない部分の歯が動きだしてしまいます。
こうなってくると、初心にもどって自分を信じてじっくり治療に取り組み、変化を待つということも重要になってきます。
結果的には治療期間3年を過ぎた時点で患者さんから終わりにしてくださいとのことで、装置を撤去することになりました。
少々残念な結果でした
それでは最終状態です
時間があれば上下の正中線も合わせられたと思います。
上下の歯のかみ合わせは問題ありません
左方向のかみ合わせは非常に良好と思います。
一方で右方向は
ややかみ合わせが不十分です
さて、上顎はどうでしょうか?
さきほどもお話いたしましたが、上顎の歯列は相当な不正歯列でもなんとかなります。
下顎歯列はどうでしょうか?
残念なことに隙間が残ってしまいました。
この部分は自然に閉鎖するのを期待しつつ、どうしても閉鎖しない場合は詰め物を入れる形で対応することになりました。
あと、6ヵ月治療期間をいただければと思いましたが、3年ワイヤー装着していたので仕方ないかなと
ただし、診断の時点で治療期間の説明は早くても2年6ヵ月、場合によっては3年と説明していたので、説明よりは長かったものの、著しく治療期間が長期だったわけではありませんでした。
初診状況が
が
下の歯列が
の状況が
今後も治療期間と仕上がりのバランスを向上させていきたいと思います。
それでは今日も1日がんばりましょう
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