みさなんこんばんは。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です。
最近!本当に寒くなりましたね しかも夜暗くなるのが本当に早いです。
今日はメンテナンスに入った患者さんの治療例を紹介します。初診時はかなり難しかったのですが、患者さんがまじめに来院していただけたおかげで、自分が想像していた以上に仕上がりも良い結果となりました。
【抜歯 治療 症例】前歯のガタガタ、難しい開咬の治療とは?
まず最初に、
治療に来る患者さんによっても仕上がりが異なってしまう理由を箇条書きにしてあげてみますと、
1:いつも遅刻をしたり治療キャンセルをしてしまう患者さん
もともと治療時間は必要な分しか予定していません。必要な時間が取れなくなった場合、手を抜くか、トータルの治療期間が長くなってしまうかどちらかになってしまうのは仕方ありません。
2:条件が厳しい症例の場合
もともとが歯周病であったり、虫歯であったりとはじめる時の条件が厳しいと、治療目標は妥協せざるをえない場合もございます。
3:年齢等(結婚も含め)
成人の患者さんの場合、治療期間が決まってしまっている場合も沢山あります。一方、小児矯正の場合は身体の成長が続く間は治療を終了できないことなどもあります。
4:患者さん主導の治療計画
素人である患者さんが治療計画を決めてそれに従うときなど、(例:絶対抜歯しないで矯正したい。手術はしない方向での治療をのぞむ。裏側矯正装置でないとやらない)など、治療方法や使用装置に制限がかかってしまう場合。あまり度が過ぎたリクエストをされる場合は治療開始前に断ってしまうこともありますが、後々トラブルになるよりはましだと思います。
5:口腔清掃状況が不良な人
何回お願いしても歯磨きができないまたはいい加減な人、治療初期であれば装置をはずして終了でよいのですが、ある程度進んでしまった場合などはとにかく早く終了するといった方向になります。
本日の患者さんはこれのどれにも当てはまらない方でした。こういう患者さんの場合は自分も可能な限りの能力を出し切って全力で治療に取り組めます。
正面からみると歯がガタガタなのは一目瞭然ですが、それに加えて上下の前歯がかみあっておりません。開咬(かいこう)という症状です。私は開咬が一番難易度の高い治療と思っております。
1本分しっかりと歯が重なってしまってます。また、写真ではわかりづらいですが、一番うしろの奥歯が外側に生えてしまっており、下とかみ合っておりません。一方、下のほうはどうなっているのでしょうか?
下のほうがガタガタは少ないです。明らかに下側のほうが上のそれと比較して大きいと判断できます。
結論としては上下左右の歯を抜歯しての歯科矯正治療となるのですが、一気に上下左右抜歯するのではなく、必要に応じて抜歯をしたり、装置の取り付けも部分部分で対応するなどして本人が生活に不自由させることなく、できるだけシンプルな治療をこころがけました。
治療の初期段階はこのようなかっちでスタートです。上顎の横の部分だけ装置をつけてます。上が並んでくると、いよいよ全ての歯に装置を装着しますが、下の歯に関しては部分的に矯正装置を装着しております。
ガタガタの状態で一気に装置をつけると、コンプレックスをもった部分がさらに装置で醜くなり気持ちもダウンしますが、並んでから装置がつく分には主訴(はじめに来院された動機)の一部分が改善しているわけで治療に対してもより前向きになれます。
いよいよ下の前歯にも装置がつきました。
出っ歯には出っ歯の治療方法、受け口には受け口の治療方法、ガタガタの人にはガタガタの治療方法
抜歯する部位や使用する装置などはどこの医院でも同じですが、より快適な治療を追及していくと、歯を抜くタイミングや装置をつける手順など細かい部分まで配慮することにより治療を受ける側の患者さんにとってプラスとなります。方向性は同じでも段取りが違うということです。料理にたとえれば、火が通りにくいものから鍋にいれるとか、お湯が沸騰する前にいれたほうが良いのか?沸騰したあとに入れたほうが良いのか?煮込んだほうがよいのか?など同じものを作っても作り手によって味が変わることは良く経験することと思います。
最終段階です
自分の感想としてはよく上下の正中が一致したなあということです。
上から見た終了時の写真です
初診時は
このような状態でした。
正面の初診時は
終了時は
たまたまですが、患者さんはこのあとすぐに結婚となりました。
最近は本当に忙しくて写真を撮る時間もないことが多く、もう少し暇になってほしいなあというのが本音です。
12月の予約ノートはまだスカスカなのでひょっとしたら12月は写真を沢山とることができるかもと期待してます。
それでは1日がんばりましょう!
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