みなさまこんにちは。東京の歯列矯正治療歯科プロ矯正歯科院長 田中憲男です
さて、昨日は母校昭和大学歯科矯正学教室が主催された学術勉強会に参加してきました。演者の先生はとても有名な先生であり、矯正学を専攻してかれこれ50年以上活躍されている方でした。70才をすぎてあのパワーだけでもすごいものをもっているのに、それにもまして貪欲な勉学の精神をお持ちであり、自分自身まだまだ青二才だなと改めて反省ができた良い機会となりました。
また、本日はお昼休みに墨田区の保険センターにいってきました。目的は妊婦さん対象の母親教室の講師として妊娠から出産、産後にかけてのさまざまな歯科的諸問題に対する講義です。講義のあとは参加者のみなさまからの御質問や事前アンケートに対する回答などをおこなってきました。
この寒さの中、参加していただいた方々だけあって、みなさま熱心にメモ等をお取りになられ、とても勉強熱心でした。そういえば、昨日の自分も熱心にメモを取っていたなあと思いだしたりしての今回のブログです。
さて、今回のテーマは
【良いクリニック ポイント】無理に行わない方がいい治療もある!?
正中線が一致できない(不可能)というわけではなく、無理におこなわない方がその患者さまにとって利益がある場合もあるという例です。
今回の症例です
正面からみると前歯のガタガタが気になります・
展開した写真をみると
このように左右の犬歯の場所が異なります。
また、奥歯のポジションも若干左右差があります。
もうすこしわかりやすく説明をすると、向かって右側のガタガタの程度と向かって左側のガタガタの程度が異なるということです。
正面からみても正中線が上下一致しておりません。
展開写真をみてもきれいに歯は並んでおりますが、左右の奥歯のポジションが若干異なります。
この状況から正中線を一致させるためには、向かって左側の奥歯すべてをより後方移動する必要が生じます。そうなると親知らずの抜歯が必要になってきます。今回の症例では左右ともに親知らずがきれいに生えてきていますので、(一番後方の白い歯です)かみ合わせの関係からも抜歯をするのは少しもったいないです。
結論、このように親知らずを機能的には抜歯をせずに保存した結果、審美的に上下正中線が若干ずれてしまうということは起こりえます。もともとが犬歯を並べるspaceでパンパンだったわけです。機能優先か審美優先か難しい判断ですが、最終決定は患者さまがきめる方向でよろしいのではないでしょうか?矯正治療をまったくしない場合の全体的な歯並びおよび虫歯や歯周病のリスクを考えれば、おやしらずや正中線などというレベルの問題は大した問題ではありません。
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