抜歯矯正が知りたい

【45歳女性 抜歯矯正】治療期間を優先して抜歯部位を選択した症例

みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です!

新学期がはじまり、学校検診で虫歯や歯並びを指摘された患者さんがピンクや黄色い紙をもって矯正相談にこられる人がおおくなる時期です。

虫歯の場合はレントゲンを撮影しなくても診るだけで虫歯かそうでないかの判断は十分可能ですが、歯列不正となるとさまざまな問題が生じてきます。

歯列不正の場合、一番ネックなのは、明らかに治療が必要と思われる症例でも、健康保険治療ができないということです。
国民の多くのかたは、歯列矯正治療が健康保険対象外となっていることを承知だと思いますが、一部ですが知らない方も存在します。

虫歯の治療の場合は治療費用が高額といっても子供の場合なら5000円位だと思いますが、歯列矯正治療の場合は部分矯正だったとしても10万~といった費用が発生します。多くの場合は20万~40万くらいはかかるのではないでしょうか?

つまり、歯列矯正治療は子供たちにとっては必要な治療メニューの1つなのですが、治療を受ける側の整備が整っていないのが現状です。

東京都知事の公金横領で盛り上がるよりも、このような問題をどうやって改善していくのかが、少子化対策の1つにもなるのではないかと思います。

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さて、本日のテーマは

【45歳女性 抜歯矯正】治療期間を優先して抜歯部位を選択した症例

一般的な歯列矯正適応年齢は10代~20代と言われております。
最近は審美目的だけでなく、一生自分の歯で食事がしたいとの思いなども含めて、30代~40代
なかには50代の患者さんでも歯列矯正を希望される方が多くなりました。

特に思うのが、時代の変化というのか、一般人の会社員や主婦の方でも30代~40代でも本当に若々しく、外見と実年齢が10や15歳異なって見える人が多くなりました。

外見が実年齢よりも若く見えるのと同様に、お口の中も若々しくしたいと思うのは当然のことと思います。
施術する先生の立場からだと、治療目標の設定の基準が10代の方の場合と40代の方の場合は異なります。

10代の方の場合は、なるべく100点に近い治療ゴールを求めますが、40代の方の場合はすべての症例に対して100点を追求すると治療がまとまらなくなる恐れがあります。

重要なことは、患者さんに対して検査結果の事実を正直に説明をして、どこまで治療可能かというゴールを提示することだと思います。
当然、患者さんサイドの考えは、いくつになっても100%の治療結果が得られると思っております。

実際は症例によりますが、すべての症例が100%になるのは不可能に近いとおもってよいです。

【45歳女性 抜歯矯正】治療期間を優先して抜歯部位を選択した症例

それでは、本日の症例です。

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このような前歯のガタガタを改善したいとの主訴での来院でした。

 

 

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上下前歯の状態は問題ありません

 

 

 

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左右のかみ合わせの状態も比較的良好でした。

 

 

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歯並びがガタガタなのに加えて、歯の治療多数おこなわれております。

 

 

 

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上顎も歯の神経をとって銀歯をかぶせているところがたくさんありました。

患者さんの中にはこの銀歯を抜歯して健康な歯を残して治療してほしいといったリクエストもあります。もし、本症例でもそのような抜歯部位を選択したとしたら、治療期間は3年6月~4年以上はかかるでしょう。

 

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また、銀歯も1本ではなく、両サイドに2本、3本とあります。

正面からみると、前歯の歯茎も下がっております。

 

 

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患者さんは抜歯をするなら全身麻酔で抜歯してほしいとのことでした。(笑)
奥歯の銀歯を抜歯しての治療計画を採用した場合、1本1本抜歯をしていかないと、治療はまとまりません。

つまり、歯1本抜歯するたびに全身麻酔をしないといけないことになります。

実際は静脈鎮静法という、全身麻酔ではないのですが、点滴をしながら意識をなくす(つまり全身麻酔の導入開始の時に使用する方法)を併用しての抜歯となりました。
矯正治療の抜歯は健康保険が適用されません。したがって、静脈鎮静費用も健康保険が適用されません。
当院の静脈鎮静費用は1回6万円ですので、抜歯を4回したら抜歯費用だけで、24万円プラス抜歯代金となります。

結論としては、そんな治療計画をしていたら、歯列矯正治療どころではなくなってしまうということです。
また、本人にとって歯列矯正治療の目的は健康ではなく、審美色が強かったです。

抜歯を全身麻酔で希望されているくらいですから、治療期間も早くしたいとのことです。
もちろん、スピード矯正などの処置も拒みました。

つまり、最少の労力で治療期間も早く、見た目もソコソコ、機能的にも合格点といった小さくまとめた治療目標を設定することとしました。
それでも、予定された治療期間は1年6ヵ月。 また、銀歯に関しては治療後に作り直しということになりました。

装置セット時です

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抜歯は上顎が2本、下顎は歯肉の下がっていた前歯1本としました。
3本同時に抜歯プラス静脈鎮静費用1回分が抜歯費用です。
この費用負担は現実的な患者負担額ではないかと思います。

 

 

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治療開始後7ヵ月目に入りました。

おもっていたよりもスピードがはやかったです

 

 

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上顎は左右2本抜歯しましたので、空隙閉鎖に時間がかかります。

本症例は銀歯を作り直すとの前提で治療を開始しました。

そのため、必要以上に銀歯に矯正力をかけると、歯の保存状態が悪化する可能性もあります。

また、銀歯同士に若干の空隙があった方が、その後の歯科治療が適切におこなえやすいです。

最終資料です。治療期間は1年1ヵ月でした。

当初の予定では1年6ヵ月だったのですが、小さな空隙閉鎖を銀歯のやりなおしでおこなうことでしたので、

その分、治療期間を短縮することができました。

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上下の前歯の本数が異なりますので、正中線は一致しません

 

 

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ただし、かぶせものが多数あることもあり、側方のガイダンスはとれていると思います。

また、奥歯の空隙はこの部分に残っております。

 

 

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もともとの状態が

 

 

 

 

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約1年で

 

 

 

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このようになるのであれば、これはこれで治療としては良かったのではないでしょうか?
ご意見もいろいろとあると思いますが、掲載は本人の了解をとっております!(モニター患者です)

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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もう8:30になってしまいました。
今日も1日がんばりましょう!

5月土日の初診相談の御予約は難しくなってきました。
平日に御都合をつけての御来院よろしくお願いします。



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