みなさまこんにちは。東京のプロ矯正歯科院長田中憲男です。
先日のブログでも書きましたが、明日から仙台にいってきます。
第19回日本顎変形症学会に参加してきます。
朝から夜遅くまで会場にいる予定ですので(昼はお弁当)1泊といっても下着の替えとワイシャツ程度の荷物です。仙台といえば牛タンとかきんきという魚が有名です。が、開業してからは時間もなくギリギリまで診療をして学会が終わればトンボ帰りになってしまいます。やはり診療所を休んでいくわけですからそれなりに大変なことです。
さて、本日のテーマは保険適用の矯正治療とは?です
まず、一般的な不正咬合の場合、保険適用の矯正治療はないと思ってください。
おそらく95%の人は保険では歯列矯正をうけることはできません。
では、どういった人々が保険適用の矯正治療になるのか?です
1:生まれながらにして先天的に障害をもっている患者さんです。
こういった患者さんの場合、産科で出産をした時点でそういった障害の説明をうけておりますので、出生後すぐに、産科→小児科→形成外科→矯正歯科という順序で随時治療を受けてきます。いまは、同じ障害をもった患者さんどうしで親の会などもあり、それぞれがよい情報交換をされています。
2:顎変形症と診断された患者さんです。
顎変形症の定義の話をすると難しくなってしまいますので、簡単に説明をすると、
全身麻酔での外科手術を併用した矯正治療と理解していただければよいと思います。
やはり、全身麻酔の外科手術を併用するということは、入院も必要ですし、それなりに大変なことと思います。保険が適用といっても20~30万円の医療費は必要になります。ちなみに、手術を自由診療でおこなった場合、100万円以上の出費が必要となるでしょう。
また、注意してほしいポイントの一つとして、
なんらかの事情で治療を中止した場合、そこまでかかった保険治療費用は全額100%自己負担になってしまいます。たとえば、実際手術が近づいてきてやっぱり止めたいとか、手術前矯正治療で結構歯並びがよくなってきたからもう中止したい。など、理由は人それぞれ様々ですが、
どんな理由にせよ、治療を途中で中止した場合は全額自己負担となります。
したがって、保険治療だからという安易な気持ちで治療を開始してしまわず、よく内容を把握した上で結論をだしていただきたいと思います。
実際の治療内容としては当院の場合
やさしい症例の場合は 手術前矯正1年→手術→手術後矯正半年の
合計1年7か月程度を一つの治療目標としております。
難しい症例の場合は 手術前矯正1年半から2年→手術→手術後矯正6か月から10か月の合計2年1か月から2年6か月を1つの治療目標としております。
また、手術時間、入院期間については
比較的やさしい手術の場合: 手術時間1時間~1時間30分 入院期間1週間
難易度の高い場合 : 手術時間2時間~4時間 入院期間1週間~2週間
といった感じです。
ちなみに写真の患者さんは友人の一般歯科医師から紹介していただいた患者さんです。
今は無事にきれいなかみ合わせになったのですが、もう4か月以上も治療にきていません。現在の状態がどのようになっているかとても心配です。
顎変形症の患者さんは2通りのタイプに分けられ
すべての人が手術まではまじめに通院してくれるのですが、
手術後は従来どおりまじめに来院する人と、何か月も来院しない人がでてきます。
実際は、何か月も来院しないと骨格性の後戻りが生じてしまい、再手術が必要な状態になってしまうこともあるので困ってしまいます。
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