おはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です!
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歯科医 ブログランキングへようやく悪天候続きの毎日から解放されそうですね・台風もどこかにいったようでビクビクしていた方も大勢いたと思います。
僕も比較的遠方から電車通勤をしている立場ですので、台風に限らず天災、人災による公共交通機関の遅延は本当に困ってしまいます。天災はある程度事前に覚悟できるので対応可能ですが、人身事故などによる人災は突発的に生じますので上野駅まで出たら電車が全線不通とかそんな状況ですとどうしようもありません。当院の患者さんの多くは1時間以上かけて通院されている方も比較的おおいいので、人身事故などの時は無理をせずに診療日を変更してください。よろしくお願いします。
このような天災や人災などでの診療キャンセルは御本人の事情ではないので対応不可能なことですし、しかたないことですが、最近は初診相談の無断キャンセルが本当に多くなってきました。
どうしてこのようなことになってきたのか自分なりに検討しました
1:私のブログを見たりHPをみたりして勢いで予約したものの、予約日が近づいてきたら面倒だからやめてしまった
2:御自身の希望の診療日、診療時間に予約をとることができなかったので、一応押さえで予約を取ったもののやっぱりいくのをやめてしまった。
3:希望する曜日の予約がだいぶ先になってしまったこともあり、予約前にほかのクリニックに相談にいった結果、そちらで治療することになり、キャンセルをするのが面倒だからそのままにしておいた
4:予約していたのをすっかり忘れていた
まあ、考えればきりがないのですが、本来ならばうれしいはずの初診相談の患者さんですが、予約して来院される割合が半数以下の日もあります。 昨日の金曜などは4名の予約に際して3名が無断キャンセルでした。
最近は雑誌の取材とかマスコミからの問い合わせもちらほらくるのですが、メデイアに露出すればするほど、変な初診相談の患者さんの割合が増加すると思いますので、取材等はすべてお断りしております。
本当はテレビとかの出演依頼もボチボチありますので、プチ芸能人気取りもできるのですが、無断キャンセルの初診相談ほど時間の無駄はないので、学会で有名になっても一般マスコミには一切出演はしません。
また、せっかくお時間を作っていただいた患者さんには大変申し訳ありませんが、平日の夜間と土曜日の相談に関しては初診相談の枠はあえて作らないことにしました。つまり患者さんが何十人と予約が入っていても相談予約をおとりします。治るか治らないかは数分間お口の中を拝見すればわかります。
ただし、じっくり話を聞きたいひとは日中の時間帯の予約をおとりください。
前置きも長くなってしまいましたので、本日の症例は過去にも途中経過を記載したことがありますが、自分の矯正歯科医師としての限界を知ることができた症例でした。
結論から申し上げますと、このような症例を治すためには自分自身がさらに臨床能力、スキルをパワーアップすることが必要になります。45歳を迎えて新たにチャレンジする治療がSASという治療方法です。インプラントアンカーの兄貴分のような治療方法です。 本日の症例は治療期間が5年間かかりました。SASを適材適所に用いることができれば治療期間を半分の2年6ヵ月程度に減少することが可能だったと思います。SASについては今度じっくりと解説いたします。
【ワイヤー治療 期間5年】完成まで本当に苦労した症例を振り返って
それでは初診時の写真です15歳女子 身長はほぼストップの中学3年生でした。
食事とか普通にできるのかちょっと心配でした。(体格はふつうでした)
一方で上下の歯列はそれなりでした
診断の結果は 骨格性下顎前突症 開咬 治療方針は外科的矯正治療でした
しかしながら、本人、母親ともに外科矯正はしたくないとのこと、通常ならばそれでお断りするところでしたが、
他の矯正治療のクリニックでは治療可能といわれたとのこと、ただ場所が少し遠いいのと治療費用が300万円と高額なのでこちらでおこないたいとのことでした。
日本でも有数の有名なクリニックで某お嬢様系の私立小学校近くにある矯正歯科です。院長の年齢もキャリアも自分よりも上でしたし、そこのクリニックは治療はきちんとしておりますので、(治療費用もものすごく高額ですが) 僕自身、負けたくないとの気持ちが強くでたのは事実でした。(笑)
そんなことから治療開始となりました。
上にワイヤーセットした写真です 口を閉じてしてこの状態です 正直大丈夫かな?治るかな?と心配でした
はっきり申し上げますが、このようなレベルの症例はごくごくまれですが、 多くの矯正治療を担当する歯科医師は治したことがない症例でも引き受けてしまっているのは事実です。
つまり、治療を引き受ける段階で治るか治らないかわからない状態です。一見すると恐ろしいことなのですが、それが矯正治療が難しいといわれている一番の理由ですので、御理解してください。
本症例は 上下歯列の横幅に問題があり、上下的にも問題がありました。
謎解きパズルではないですが、1つ1つ問題をクリアすることで、設定しているゴールに向かって進んでいくのです。
つまり、治療したことのない症例は 子供のころに流行った川口宏探検隊と境遇はいっしょです
歯科矯正医師として技量を向上していくためには 困難を乗り越えていく知力と体力が必要になってきます。そのうえで、過去に自分が経験してきた記憶力を統合して毎回毎回の治療後の変化をイメージしていきます。毎回の治療の中でイメージどうりに変化が生じないときは、そのまま継続は方向変換するか判断をおこなっていきます。 またそれをワイヤーを介して歯列変化を生じていきますので表現力も必要になってきます。頭ではわかっていても表現できなければ卓上の理論にすぎません。
少しずつよくなってきました。
このまま終了か!と正直わくわくしていたのが治療開始から3年を経過したころでした
山登りに例えれば頂上のアタックをしていたら、雪崩がおきてしまったようなものです。
そんな中、辛抱づよく粘りに粘った結果 光が見えてきました
彼女の15歳~20歳は矯正ワイヤーの人生そのものでした
紙面の都合もあり、そろそろまとめに入りますが、今回の治療後の反省点としては 結果的に治ったということは治療方針に関しては自分が思っていたやり方で良かったということです。
しかしながら、治療期間が長期にかかった理由を述べると、
考え方(診断および治療方針)は正しかったものの、それを達成するための方法(表現力)が不足していたということです。つまり、本症例の場合はインプラントアンカー矯正治療の限界ということでした。
大学卒業後、矯正の勉強を10年おこない、開業して10年が経過しました。これからの10年は新しい自分への挑戦となります
今後は外科矯正治療でも患者さんが望めば外科矯正治療を回避できるような技量を持てる歯列矯正医師になっていきたいと考えております。
それでは、今日も1日がんばりましょう!
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