みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です!
一昨日の木曜日、久しぶりに自身の歯科治療を受けました。木曜日ですので、プロ矯正歯科は休診日でした。
つまり、自分の医院での診療ではなく、外の歯科医院での診療です(笑)
治療内容は上下の歯肉すべてに麻酔をした上での徹底的な歯石除去という内容です。
なぜ、このようなことをおこなったかというと自分自身の歯列矯正治療を再開することにしたためです。
僕は、矯正治療をおこなうなら、自分で診断してからおこないたかったこともあり、大学卒業後、6年経過してから開始しました。
大学卒業時の年齢が24歳でしたので、30歳からの歯列矯正治療でした。
当時は、インプラント矯正治療用のアンカースクリューがまだ、動物実験段階でした。
当時、動物にしか植立したことのなかったアンカーを自分の体内に入れての、身体を張った(笑)矯正治療だった記憶がございます。
おかげさまで、その後、第1回日本インプラント矯正研究会のシンポジウムでは自分の症例を元におこなったインプラント矯正治療の内容で講演をさせていただきました。
さらに、その内容は商業雑誌である、矯正臨床ジャーナルという雑誌にも掲載させていただきました。
歯科医師として講演料、原稿料という雑所得をはじめてもらった思い出深い事です。
しかしならが、当時の大学での立場は非常に忙しい状況であったことと、自分の治療は後回しにしてしまうこともあり、そうこうしているうちに開業となってしまいました。
当然、開業となると治療をアシストしてくれる人がおりません。そのため開業前に一時的に矯正装置をすべて撤去しました。 いずれ矯正治療は再開する予定でしたので、保定装置をつかわないとどの程度後戻りするかどうかという興味もあったことから、保定装置なしでの装置撤去でした。
そうこうしているうちに10年という歳月がすぎてしまったのです(笑)
幸い、現在ならば私以外にも歯科医師がおりますので、治療再開するならイマでしょ?といった状況でした
そんな中、自分自身の歯周病の検査をしたところ、歯周病の進行はさほどではないものの、歯肉縁下歯石という矯正治療にとっては天敵のようなものがすべての歯に付着していたのです。
そこで、従来ならば最低1ヶ月、場合によっては2ヶ月程度期間がかかる歯周治療をわずか1日で完了するためにとった対応が木曜日の他医院での診療だったのです。
つまり、一昨日は私が矯正治療の出張診療の日でした。出張先では院長の家族などサービスで治療をおこなったりしております。つまり、治療のギブ&テイクという関係です!
院長には無理をいってしまいましたが、おかげさまで快適な土曜日を迎えられました。
また、久しぶりに麻酔をされたこともあり、改めて麻酔の痛さもよく理解できました。
これからは今よりも一層麻酔に対してはやさしく配慮できそうな気がします。
それではボチボチ本日のテーマにいきましょう
本日のテーマは
【妊娠中 治療 】妊娠中、歯列矯正治療による胎児への影響はあるのか?
です。
まず妊娠中の治療は、
1、妊娠は突然やってくる
2、あえて妊娠している状況では治療開始しない
3、他の歯科治療の影響は?
と他にもいろいろと考えることがあります
また、矯正治療への影響としては
1、歯肉炎になる結果、理想のポジションに装置をつけずらい
2、歯の動きが遅くなるといわれている
3、歯、骨の修復が遅くなるといわれている
説明がわかりずらいので補足しますが、1言でいうと、身体の回復が遅くなるということです
また、ホルモンバランスが崩れること、つわりなどの結果、口の中が不潔になりやすいことです
ですから、昔は
嫁に行く前に歯の治療は完了しておけ
といった言葉があったくらいです
ただ、最近は嫁に行く前ではなく、結婚式前に歯ならびをきれいにしたい
といった患者さんが非常におおくなってきました
結婚して平均的な夫婦生活を1年もすれば半数以上の人は妊娠するといわれております。
つまり、結婚式前に歯並びをきれいにした患者さんのうち、その後治療が1年以上継続する可能性のある人は妊娠中の矯正治療に移行していくことになります。
ですから、結婚を控えている患者さんい対しては
多少無理をしてでも抜歯等は終了させておく
虫歯の治療に関しても、矯正治療後にやりなおす可能性があってもとりあえず完了しておく
といった 妊娠予定患者さん独自の対応が必要になってきます
また、出産のときに里帰りする人もおりますので、治療に関してはしっかり治したい反面、状況によっては妥協することも必要ではないかとおもってます。
それでは本日の症例です
初診時はいわゆる出っ歯でした、
上からみると
出っ歯の症例の場合 繰り返しますが、いきなり前歯に装置を装着するともっと出っ歯になってしまいますので注意が必要です
つまり、セクショナルワイヤーでの治療スタートです
ある程度ならんできたら、前歯にも装置をセットしていきます
まだこのころは妊娠しておりませんでしたので、歯茎の炎症も軽度でした
ところが、妊娠した結果、妊娠性の歯肉炎の状況がひどくなりました。
ここで1点確認ですが、
妊娠性の歯肉炎はほとんどすべての妊婦に発症するのですが、適切なケアをすることで症状は改善されてきます
特に、妊娠安定期に入ればいろいろと治療もおこなうことができますのでそれほど心配ないのが普通なのですが、基本的な歯ブラシなどの口腔ケアが不適切ですと、なかなか改善しないのも事実です
本症例は患者さん自身の口腔ケアも不適切だったこと、矯正装置をこれ以上装着していても歯肉炎が治癒することが難しいこと、最低限の治療目標は達成したと判断したことで、装置は撤去することとしました
装置撤去時の写真です
ちなみに初診時は
でした、
それではどんな部分が歯肉炎なのでしょうか?
わかりやすく、黒印で炎症のある歯肉部分にチェックをいれました
妊娠中の歯肉炎はお腹の子供にも少なからず悪影響をおよぼすといわれてます。
産まれてからの子供の世話と比較したら、自分自身の口腔ケアなどたいしたことはありません。
しかしながら、どんなに指導してもできない患者さんがいるのも事実です
そういった状況になってしまった患者さんに対しての対応は一番難しいところです。
それでは、もうすぐ9時になります
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