みなさまおはようございます。東京のプロ矯正歯科院長 田中憲男です。
マウスピース矯正のテーマでブログを記載する方向としましたら、文字数の問題で前編と後編の2回に分けて記載させていただくことになりました。 本題に入る前置きが長いからと指摘する方も非常に多いいのですが、患者さんの中には本題ではなく、前置きが好きといった(笑)常連の方もいらっしゃいますので、前置きもそこそこやらせてもらいます。
私は常日頃から、患者さん中心で仕事を1番に考えて行動をとってもらいたいとスタッフにはお願いしております。幸い、当院のスタッフは皆とても良い人ばかりですので、院長のお願いを守って行動してもらっております。スタッフが退職する場合の理由の多くは仕事よりも大切なものが見つかった時となります。あるものは留学であったり、外国人との結婚であったり(外国人の場合は休暇の取り方が日本式ではないのです)、両親の介護だったりと様々でした。
医療従事者というものは困っている人を助けるといったことに喜びを求める職業であります。
それではさきほどの続きのテーマ
可能な治療は限定される?私がマウスピース矯正を否定する理由⓶
前回の症例をふりかえってみましょう
こういった初診時の状況でいきなりマウスピース治療では不可能な状況でした。
そこで、連続写真にあるような、部分的矯正装置である程度の歯列アライメントをおこないました。
その上でマウスピース矯正治療を開始したのが次の写真です
そこそこなおっているじゃん(笑)っておもいますか?
それぞれの写真を1枚1枚みていきましょう
治療期間がおおよそ4年半、
セットしたマウスピースがおおよそ100個
とても疲れました(汗)
また、どんなにがんばっても横の部分の歯が咬まない(つまり開咬)
時間がないのでもう1症例
大きな欠損もあり、一般矯正でも難しそうな感じです
なんか下の歯列が大きいです
この患者さんの治療経過です
仕上がってきた状況です
最終結果です
ここまで前と上下の歯列でみるとがんばったかな?といったところです
横のかみ合わせがどうなっているのでしょうか?
下顎の抜歯した部分の高さが回復しなくて、どうしても横の部分がかみ合わないのです(泣)
つまり、マウスピース矯正治療の場合は下顎の歯は抜歯しない方向で治療目標を設定することが大切になります。
では
本症例で下顎の歯を抜歯しないで治療可能であったでしょうか?
下顎の歯列の写真です
ただでさえ、大きそうな歯列に加えてこのガタガタ、抜歯しないで並べることができる人がいるのでしょうか?
でも抜歯してもたまたまうまくいく場合もあります。
たとえば、最初の1症例目の場合です
側方でこの程度咬めていればマウスピース矯正の結果としては100点だと思います。
では反対側はどうでしょうか?
この程度が平均的な仕上がりではないでしょうか?
1症例目が4年半
2症例目が5年間 治療しております。
自分自身、ワイヤー矯正治療で平均的といったところの治療ゴールに到達しきれていないためどこで治療を終了したら良いかわからなくなります。
結局、患者さんが終了時期を決めるといったところになってしまいます。
今後の後戻り等はどのような対応が必要がまだまだ課題が沢山あります。
つまり、ワイヤー矯正で完璧に治療を達成できる先生にとっては、マウスピース矯正は苦痛以外の何物でもありません。
くれぐれも重要なことですが、マウスピース適応症例を誤らなければとても良い治療方法です。
しかしながら、マウスピース矯正とワイヤー矯正を同じ矯正治療として比較するのはどうでしょうか?
異論がある先生がいるのであれば、その先生が治療したマウスピース矯正の症例をすべて見せてもらいたいです。
100人治療してたまたま上手くいった1症例が欲しいのではなく、100人治療したら100人ともに上手く仕上がらないといけません。
これだけは断言できますが、マウスピース矯正で大変なことになってしまった患者さんはたくさんおります。
同様に、ワイヤー矯正治療で大変なことになった患者さんも非常に多くいらっしゃいます。
では、良い医院はどうやったら選べばよいのでしょうか?
これが一番のテーマですね!
それでは1日がんばります。
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